@ 新型コロナウイルスで客足が止まってしまっているが、2019年の訪日外国人数は前年比 2.2%増の3188万人で、過去最多を更新した。そこで、鳥取市に導入しているのが「1,000円タクシー」だ。鳥取市は観光地が点在しており、外国人にとっては移動が難しい。そこで、市内にある9つのタクシー会社が、3時間1,000円で貸し切りできるタクシーを導入し、市内の観光地を巡る「鳥取観光マイスター」の取り組みを始めている。その一方で立ちはだかったのが、「言葉の壁」だ。挨拶などの最低限のコミュニケーションは取れても、歴史や文化まで外国語で説明するのは難しい。
A そこで始まったのがKDDI研究所と協力し「多言語音声翻訳システム」(タクシーに音声翻訳機を設置)を活用したプロジェクトである。音声翻訳にかかる時間は2?3秒。現時点で対応している言語は中国語・韓国語・英語で、ほぼリアルタイムでのコミュニケーションが可能だ。
B 運転席と後部座席に「翻訳専用アプリ」をインストールしたスマートフォンとスピーカーを設置。後部座席に座った外国人観光客が外国語でスマートフォンに話しかけると、音声を日本語に翻訳。翻訳された音声は運転席に設置されたスピーカーから流れる。その音声を聞いて、ドライバーが運転席のスマートフォンに日本語で話しかけると、後部座席のスピーカーから外国語に翻訳された音声が流れるという仕組みだ。言葉の壁がなくなったら、訪日外国人旅行者の満足度や安心感はより向上し、旅行者数増加につながるだろう。その結果、地方への観光客も増えると期待されている。